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血液検査と感染症のリスクについて

当団体では、原則として譲渡する子猫にエイズ・白血病の血液検査を行っておりません。
これは以下の理由によります。 ※生後6ヶ月を超えた猫に対しては状況に応じて行う場合があります。

検査の信頼度の問題

猫エイズの検査について

正確な検査結果を出すためには下記の条件が必要だと言われています。

  1. 生後6ヶ月以上であること。

    猫エイズの検査は「抗体検査」といって、ウイルスそのものではなく、感染したウイルスから体を守るために作られる「抗体」というものがあるかどうかを調べる検査です。生後6ヶ月までの子猫は母猫からの移行抗体(母猫が持っていた抗体は母乳を介して一時的に子猫にも与えられます)が体内に残っている可能性があり、子猫自身がウイルスに感染したことが無くても子猫の体内にFIVに対する抗体がある=猫エイズ陽性、という結果が出てしまうことがあります。そのため、完全に子猫の体内から移行抗体が無くなる生後6ヶ月以降というのが正確な検査結果を出すための一つの基準とされています。

  2. 個別飼育(猫エイズ陽性猫及び未検査猫から隔離した環境での飼育)を始めて2ヶ月以上が過ぎていること。

    FIVに感染してから抗体検査で検出できるほどに抗体が作り出されるまでにおおよそ2ヶ月の期間を要するといわれています。そのため、最後にウイルスを持っている可能性のある猫と接触してから2ヶ月以上間を空けて検査を行わないと、検出に至るほどの抗体が作り出されていないことがあり、FIVに感染しているのに猫エイズ陰性という結果が出てしまうことがあります。

  3. FIVワクチンを接種したことがないこと。または、最終接種日から12ヶ月以上が経過していること。

    FIVのワクチン接種を行うことで体内は抗体を作り出すための活動を始めます。猫の体内にある抗体がFIVに感染して作られたものか、ワクチン接種をきっかけに作られたものかの判断は簡易検査ではできませんので、いずれの場合にも猫エイズ陽性という結果が出てしまいます。ワクチン接種を行ったことで作り出された抗体は12ヶ月で減少していくとされており、そのため最後にワクチン接種を行った日から12ヶ月以上の間隔を空ければ比較的正確な検査結果が出ると考えられています。

猫白血病の検査について

猫白血病の検査は、ウイルスそのものがあるかどうかを調べる「抗原検査」なので猫エイズの検査ほど長期間待つ必要はありません。しかし、ウイルスに感染してから検査で検出されるまでに一ヶ月ほど要するので、個別飼育を始めてから1ヶ月以上の間を空けて検査をしないとウイルスを持っているのに陰性という結果が出てしまうことがあります。
また、一度猫白血病ウイルスに感染しても猫自身の免疫力でウイルスを抑え込むこともあり、一度陽性の結果が出ても一定期間を空けて検査をすると陰性に変わる可能性もあります。

猫エイズ・猫白血病について正確な検査結果を出すためには以上の条件を満たす必要があり、検査可能になるのを待つと子猫の譲渡適齢を超えてしまうことになります。検査結果に責任を持てない時点で検査をしてもあまり意味がないのではないか、ということが当団体で検査を行わない理由の一つです。

生物を飼うということへの責任

生命に責任を持つ、ということは、その病気や怪我などのリスクも一緒に背負っていくことであると当団体は考えています。
「猫を飼って楽しい生活を送りたい、しかし病気は可哀想だし大変そうだから避けたい」では「命を助ける」という、当団体の活動理念からそれてしまいます。陰性の子猫の命と陽性の子猫の命はあくまで平等であり、平等に生きる道を与えられるべきでしょう。
私達が里親希望の方にお願いするのはまさしく生き物と一緒にリスクを負っていくということであって、縁のあった子猫の持っているリスクの分担をお願いしないことには、捨てられた犬猫の譲渡活動自体が成り立ちません。感染症の猫を引き取るリスクを減らすことを優先するのであれば、販売業者からの購入をお考えいただきたいと思います。

以上のような理由からも私達はエイズ・白血病検査を必ずしも必要ではないと考え見送ることにしています。

作成:2007年4月1日/更新:2018年9月5日