2014年度事業計画に寄せて
いつもご支援くださり誠にありがとうございます。
本日、「2014年度の事業計画」と「2024年の未来像」を公開しましたが、本計画は単年度計画にとどまらず、団体として一歩踏み込んだものとなるため、理事長からのメッセージを書かせていただきました。
まず、多くの方にはご承知いただいているかと思いますが、私たちは創業以来十数年間「一頭でも多くのいのちを救おう」を合い言葉に、ひたすら、殺処分される犬猫の保護と新しい飼い主探しに注力してきた団体です。
動物愛護にも多くの手段や考え方がある中、おかげさまでこの「選択」が多くの方のご賛同をいただけるようになり、これまで一万頭を超える犬猫を温かいご家庭にお渡しすることができました。
「行政から民間団体・個人活動家へ」「民間からご家庭へ」というシステムは、年々普及し、多くの命が救われるようになりました。
全国の団体・個人によって救われた、殺されるはずだった命が、幸せに暮らしていることは、とても意義のあることだと考えています。
しかし一方で、私たちの活動は殺処分問題全体に対しては、焼け石に水をかけるようなことであることも事実です。
確かに殺処分数は毎年減少していますが、単に「処分し尽くしてしまっただけ」という、私たちのような団体にとっては耳の痛い可能性も受け入れなければいけません。
そのこと自体は当初から自明のことでしたし、だからこそ啓蒙活動・終生保護などを行う団体もあるわけですが、これまでは動物愛護に対して、愛護団体も、活動家も、社会も、企業も、行政も、すべてが未成熟であり、効果的な活動は非常に難しかっただろうと思います。
そんな状況の中、私たちは「今、一番助けられる方法」として上記の「選択」をし、それを続けてきましたが、ここ数年は動物愛護への社会的機運の高まりを感じることも増えてきました。
そうした思いから、一度ライフボートの経験や実績から離れ、今をスタート地点にして未来を考えたのが「2024年の未来像」です。
そして未来像へ向かって、既定路線にこだわらずライフボートも貢献することを明示したものが「2014年度事業計画」です。
もちろん、譲渡活動は犬猫にとって一番幸せな救命手段であることから、今後も一層の拡大を目指して参ります。
ここに「未来像へ向かっての活動」を加えて、二つの志向性を持って、ライフボートの強みを活かした選択と集中をして、殺処分の無い未来創りに貢献して参ります。
今後とも皆様の応援をよろしくお願いいたします。
平成26年6月15日
NPO法人犬と猫のためのライフボート
理事長 稲葉友治