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2024年の未来像

ノラ猫のタマとフネおばあちゃん

シロのように、まず間違いなく新しい家族に出会えるであろう犬がいる一方で、なかなか良い縁に恵まれない動物も一定の確率で発生します。

タマは下町に住む年齢不詳の元ノラ猫で、3年前から一人暮らしのフネおばあちゃんの家で暮らすようになりました。
危険がいっぱいのノラ生活から、安全な家の中で暮らせるようになったタマにとっても、一人で寂しいフネおばあちゃんにとっても、お互いはとても大切な存在でした。

ところが2週間前、フネおばあちゃんが89歳でこの世を去りました。

別居していた家族はあまり動物が好きではなく、すぐにタマを保健所に連れて行くことに決めました。
その後、何度か面会の機会があったタマですが、元ノラということもあってフネおばあちゃん以外に心を許すことはありませんでした。


タマのような子たちは、終生飼育を前提とした保護施設で暮らすことになります。
この施設は国内でも最大規模の動物保護施設の一つで、ペットフード大手1社、飲食大手2社、サッカーJリーグ1チーム、獣医大学3校、地元中小企業30社がスポンサーもしくは連携組織になっています。

施設には、犬舎・猫舎・ドッグランのような通常の施設はもちろん、動物病院、ペットホテル、火葬場、霊園なども付帯し、保護動物の一生をお世話できる施設がそろっています。
動物病院※では、集団飼育下の医療研究、終末医療の研究なども行われ、獣医学の発展に寄与しています。

こうした総合施設は、将来動物関連業界で働きたい専門学生、大学生の人気の研修先にもなっています。

※この動物病院の院長は、2016年に獣医師免許を取得し、動物病院の勤務医をしながら保護活動に携わってきました。
心配した同僚からは「そんなことしても獣医師として食っていけないぞ」と言われ続けましたが、今では、日本の動物の集団飼育・終末医療の若き第一人者です。

つづく


作成:2014年6月15日/更新:2015年5月11日