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2024年の未来像

活動の多様化と企業の参入

ここまでに出てきたような活動を行う団体のほとんどが、動物関連事業(動物病院・フード販売・グッズ販売・ペットホテル・ペット霊園など)を行い、その収益を活動費にあてて成り立っています。

寄付金は活動維持のために使われることはもちろん、動物を取り巻く環境をより良くするための新規事業のスタートアップ資金としての使われ方が最重視されるようになっています。

こうした社会情勢下で、特に動物関連の営利企業は、保護団体・保護活動に何らかの協力・事業提携等を行うのが当たり前になっています。 例えば、全国データベースは大手ペットフード会社の資金提供により運営されています。


タマが保護されているような専用の大型保護施設ばかりでなく「犬猫の居場所を増やす」ことで、セーフティネットとする試みのいくつかがこの10年で成功し、一般化されつつあります。

その大きな枠組みの一つが、個人ではなく、介護施設・オフィス・社員寮・学校などの施設への譲渡また貸与の仕組みです。
人間が高齢で飼えない、仕事が忙しくて飼えない、ペット不可住宅で飼えない……でも動物と暮らしたい。
こうした、個人では飼い続けることができないけど、後継する人間がいる施設に動物の居場所を作る仕組のバリエーションが複数成功しています。

※全国のお寺で会える犬、その名も「寺犬」はグッズ化され、旅行好きの定番コースにもなっています。

もう一つが保護施設出身の「お仕事犬」です。
盲導犬、聴導犬、その他介助犬などは、求められる資質や訓練コストの問題から、従来ゴールデンやラブラドールなど特定犬種の役割でした。
しかし犬の訓練コストの差を埋める寄付が増え、安定化したことで、この10年でお仕事犬全体の2割を元保護動物が占めるようになりました。


人間の高齢化と、全国2,000万頭以上と言われる市場規模に目をつけた保険会社から、動物のセーフティネットを拡充する保険商品も誕生しました。
この保険は従来のようなペットの医療費を軽減するものではなく、飼い主に何かあったときに、ペットの余生を保証するものです。
飼い主が生前積み立てた金額に応じて、提携団体が動物のお世話をし、場合によっては里親探しを行います。

10数年前から類似の商品はありましたが、受け皿となる団体・施設が増え、誰でも入れる保険になってきたことで、多くの高齢者でも安心してペットが飼えるようになり、高齢化社会の日本において、保護動物の受け皿も大きく拡大しました。

今では団体独自の保険商品を導入する団体もあらわれ、里親になるときの任意加入・強制加入の別や、保証内容などで団体の独自性を出しています。

つづく


作成:2014年6月15日/更新:2015年5月11日